●発祥はアメリカ!
マウンテンバイクは、”サイクルスポーツはヨーロッパ”という常識をくつがえし、1970年代の後半にアメリカのカリフォルニア州サンフランシスコ郊外のマリン郡で誕生したといわれています。
自転車やアウトドア・スポーツが大好きな仲間達が改造自転車で山道を走り遊んでいたのですが、過激な走りに性能が追いつかず、彼らによって自転車の改良が始まりました。
●ハードと遊び方が進化!
ゲーリー・フィッシャーが強力なブレーキや、ワイドな変速ギヤなどを装備し、マウンテンバイクの元祖となる自転車を作り上げたのが1974年のことです。1979年にゲーリー・フィッシャーが「マウンテンバイク」と名付ける前までは「クランカー」、「バルーナ」、「ファット・タイヤ」などと呼ばれました。
1977年には仲間のジョー・ブリーズがマウンテンバイク専用フレームを完成。
1981年にはスペシャライズド社が量産型マウンテンバイク、スタンプジャンパーを発売。性能もあがり、次第にマウンテンバイクは山道を下るだけの道具から、オフロードを自在に走って楽しむ新しい遊びの道具として愛好者を世界に拡大。この頃から日本にもマウンテンバイクの概念が入ってきました。
●ダイナミックスポーツへ!
1980年代後半になると、マウンテンバイクの競技が盛んになりました。国内では日本マウンテンバイク協会が1988年に全日本選手権を初開催(優勝は大竹雅一選手)。同年に開催されたNORBA世界選手権大会には5名の代表選手を派遣。翌1989年においては、オブザーブド・トライアルで柳原康弘選手が優勝。国内でも一気にスポーツとして注目されてきました。
1990年には、アメリカ(コロラド)でUCI(国際自転車競技連合:Union Cycliste Internationale)による第1回の世界選手権が開催されました。それと同時期に、各パーツの強化と軽量化、フロント・サスペンションの装備などハード面でも急速な進化が始まりました。日本マウンテンバイク協会は発足と同時に制定した公認インストラクター制度とともに指導者養成事業も開始。「楽しく・安全に」マウンテンバイクに親しむ愛好者も増えてきました。
●アトランタ五輪から正式種目へ!
1990年代に入ると、マウンテンバイクのレジャー人口・競技人口とも飛躍的に拡大。UCIでは、世界各地を転戦して総合ポイントを競う「ワールドカップ」、年1回の「世界選手権大会」などの大会を開催。国内でも転戦してポイントを競う「JCF・ジャパン・シリーズ」をはじめ、全国で愛好者が気軽に参加できるマウンテンバイク競技やイベントが年間100以上開催されています。
そして、1996年のアトランタ・オリンピックでは、クロスカントリー競技が正式種目として実施され、これにより、アウトドア・スポーツとして国際的に認知され、ますますマウンテンバイクが話題にのぼるようになりました。
●新しい時代へ!
1996年には国内初の国際公認大会・Specialized Cactus Cup Japanが長野・富士見町で開催、1998年には新潟・新井市でUCIワールドカップも開催されました。
マウンテンバイクの大きな流れは、オリンピックを頂点とする競技と、レクリエーションとしての生涯スポーツとなっています。それぞれに多くの人たちの心をとらえたスポーツとして、今後も発展していくでしょう。
MTBって何?
はじめてのMTB| 日本マウンテンバイク協会