ジュニア時代から頭角を現し、全日本選手権U23、3連覇などを経て、2008年には北京オリンピック日本代表となった、山本幸平(やまもと こうへい)選手は、2012年ロンドン・オリンピックに向けて活動中。今年もフランスを中心に、各地大会に参戦しています。
このコーナーでは山本選手のレポートを中心に、レースシーンを追いかけます。
Coupe de France ST-Raphael 2010年3月27-28日
山本選手は、フランスでの国内シリーズ「カップ・ド・フランス」の第1戦セント・ラファエルでのクロスカントリーに参加。日本のシリーズのように固定ナンバーがあり、山本選手は111番を付けて走ります。1番を付けるのはアテネ・北京連覇のジュリアン・アブサロン選手です。(フランスではMTBがVTT(Vélo Tout Terrain)と表記します)
では、山本選手のレポートをどうぞ。
■今回は、フランスのシリーズ戦である、Coupe de France に参戦してきました。
僕の中では、シーズン前半の怪我からの復帰戦と言う事。
何よりも、レースを純粋に走れる事が嬉しかった。
金曜日に会場入りをして、その後、試走を1周する。そして、その日のPM17:00時からチーム対抗のリレーが始まった。僕も、フランスでお世話になっているチーム、La Pomme Marseilleのメンバーとして、4人目のアンカーを務めた。
金曜日に追い込みをするのは、慣れていないが、今は、レースをこなして、身体を作っていく段階なので、日曜日の事は、忘れて、追い込んだ。レースは、楽しい!!あの、心の底から湧き出てくるパワーがたまらなく興奮する。
チーム結果は、6位だった。皆、良い走りをしてのゴールだったので、良い経験になったと思う。僕自身も、身体の痛みを感じることなく全快で追い込める身体に戻っている事を確認出来たので、最高に満足だった。
チーム・クロスカントリー
Rang Pos | Equipe | Nom Prénom | Temps |
1 | BH-SUNTOUR | BRESSET Julie, LEBRETON Pierre, MAROTTE Maxime, VINIT Guillaume | 35:03.000 |
2 | SCOTT LES SAISIES | HANSEN Severine, BAILLY MAITRE François, LAPEYRIE Thomas, SARROU Jordan | 35:45.000 |
3 | BH-SUNTOUR2 | METZLER Laura, GARCIN Steven, HANSEN Sébastien, TROPARDY Arthur | 35:48.000 |
6 | LA POMME MARSEILLE LOOK | BRUHAT Elisa, BAGNOL Joris, GRENET Anthony, YAMAMOTO Kohei | 36:52.000 |
そして、土曜日は、オープンクラスや、女子のレースがあるために、朝の9時までに試走を済ませるか、午後5時から行うかの判断で、コーチと話して、朝に行う事にした。6時半に起床して、試走2周と1時間のロード練習をして、疲れを取って日曜日のレースに備えた。
レース当日、今日からサマータイムで、1時間早まるリズム。朝、早起きをして1周試走をしてきた。
走るラインの最終確認のために。身体の調子も良い。気持ちも整っている。
3時間前にパスタと鶏肉を食べて、レースを待つ。
いよいよ始まる。レース前から、ワクワクしていた。身体を存分に動かせる事ができる喜び。
スタートは1列目からのスタート。メンバーは、フランス人はもちろんだが、イタリア・スペイン・オランダ・ベルギーなどなどと、各国から多く参加しており、ミニワールドカップみたいだった。
最近は、レースを想定しての練習を意識して行なってきたので、それを試す事が課題。そして、最初の段階で疲れ果てて良いと思いスタートした。(これは、今後の走りに繋がる事だからです。決してレースを捨てている訳ではありません。)
スタートして、混乱する中、落ち着いて走っていった。シングルトラックに入る前に、皆ペースを上げるって事が分かっていたので、僕も、負けじとペースを上げて行く。上手くいっている。練習の成果が出ている。パワー負けしていない。身体も、スタートの段階では上手く使えるようになっている。
9番目で進んでいる。先頭もすぐ目の前にいる。しかし、少しの緩みで離されていく事を、先頭集団を走って、改めて気づかされたのも事実。先頭のペースは、速い。パワーをずっと掛け続けていかないと、アっと思った瞬間に離されるのだ。それを知った。
1周目の後半部分で、前に4人パックが出来ていたのにも関わらず、それに一歩届かない。ここで踏めないと、これからは勝負にならない。
身体の調子は良い。1周目を終えて、9位で2周目に入った。パックが出来て、4人で進む。
アスファルトの区間が終わり、シングルトラックの区間で3番手を走行していた。その時、岩の上を通過してしまい、一瞬で空気が抜けてしまい、パンクをしてしまったのだ。
落ち着いて、修理に取り掛かったが、穴が見つからない。ボンベで空気を入れたが、ふさがってくれずにフィードゾーンまで戻り、ホイルごと交換した。この時点で、順位は、期待できないが、今の状況としては、レースを諦める理由は無い。思いっきり走りきる事。その事を考えて、走っていった。
道の広い区間が少ない為、選手達を抜いていく事が難しかった、ダッシュしては、減速しての繰り返し。
足が攣り始めるが、調子は良い。ドンドン抜いていく。追い込む僕。
身体が、上手く動いているし、練習の成果を体感出来ている。
清清しい気持ちでゴールした。
結果は、54位で良くない。
しかし、怪我からの復帰戦で、今感じ取れている感覚。これは、悪くない。
レースは、毎週ある。しっかりと、この気持ちを保ちつつ、勝利を意識して、過ごして行く事にします。
ワールドカップで成績を出す為に! !
クロスカントリー(男子・5周/147名)
Rang Pos | UCI | Nom Prénom | Nat | Team | Total |
1 | ABSALON Julien | FRA | 1:55:04 | ||
2 | PERAUD Jean Christophe | FRA | 1:56:41 | ||
3 | TEMPIER Stephane | FRA | 1:57:14 | ||
54 | YAMAMOTO Kohei | JPN | 2:11:38 |
フランス連盟WEBサイト:http://www.ffc.fr/
バイク:ANCHOR XHM9 RS
フォーク:ROCKSHOX SID World Cup
ハンドル:Ritchey Super logic Carbon Low Rizer
ステム:OnebyESU ジェントル ステム 120mm
シートポスト:OnebyESU ムンク シートポスト ブラック
ホイル:Shimano WH-M975
シューズ:Shimano SH-M310SE
ペダル:Shimano PD-M970
サングラス:Adidas Adivista
ヘルメット: OGK MOSTRO VIGOR
サプリメント:レース前 BCAAタブ10粒 Feタブ 2粒 Caタブ 2粒 SAVASウォーター, レース時 SAVASウォーター,レース後 SAVASアクアホエイプロテイン(アセロラ味)
●山本幸平
チームブリヂストン・アンカー 北海道出身 1985生まれ 2008全日本チャンピオン(男子エリート・クロスカントリー)