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末政実緒 | 世界一を目指して

バイクトライアルの世界選手権で優勝。その後マウンテンバイクのダウンヒルにチャレンジ。国内、アジアのタイトルの他、2001年にはジュニア世界選手権で優勝、脚光をあびて以来UCIワールドカップにもフル転戦。トップライダーとして常に注目されています。
このコーナーでは末政選手のレポートでダウンヒル・レースシーンを追いかけます。




ワールド・カップ ダウンヒル第3戦(オーストリア・レオガン)

ワールドカップに新登場の会場、レオガンでの大会。末政実緒(兵庫/Team FUNFANCY/INTENSE)選手のレポートが入りましたのでご紹介いたします。

***末政実緒 レースレポート***

大会名:UCI MOUNTAIN BIKE WORLD CUP DH#3
場所:オーストリア・レオガン
開催日:2010年6月19-20日

Leogang_DH_2010-courseワールドカップ・ダウンヒル第3戦はオーストリア・リロル地方に位置するレオガンで開催されました。
当初は毎年開催されているシュラドミングの予定でしたが開催地の諸事情によりレオガンに変更になりました。
ワールドカップ初開催ですが、バイクパークで毎年スロープスタイルコンテストが開催されたり、ixs Cupというヨーロッパのシリーズレースなど色んな大会が行われるヨーロッパでは名の知られた場所です。私自身も2007年にixs Cupに出場しに一度訪れたことがあります。

コースは常設コースをメインに使用。スイッチバックス、漕ぎとジャンプセクション、木の根がたくさん出ているシングルトラック、芝生セクションなど色々な要素がありました。
そして、前半の漕ぎセクションは平らで体力が必要で、後半のシングルトラックは急斜面の連続でテクニック重視と思いのほかハードなコースでした。
何より運悪く天候があまり良くなく、1日目練習日のお昼から嵐のような雨が降ったのを境に、毎日、毎晩のように雨が降りコースはドロドロで溝や穴ぼこがたくさん出来て、テクニカルでハードなコースに拍車をかけました。

・予選(6月19日)
午前の試走があり、午後から予選が始まりました。
朝から小雨降ったり止んだり。試走では毎ランごとにコースが荒れ、全身泥だらけになるほどの悪路面でしたが、気を取り直して予選に向かいました。
スタートしてまずまずのペースで走っていましたが、前半過ぎたあたりからシフトワイヤーが切れてしまい、トップギア(一番重いギア)から軽いギア変速出来なくなってしまいました。
中盤にはドロドロで平らの漕ぎのセクションもあるので焦りましたが、どうにか止まる事なく前に進む事が出来て終盤のテクニカルセクションに入りました。
幸いテクニカルセクションは斜度がきついのでそれほど影響はなく、まずは無難に滑る木の根や急斜面をこなしゴールし、予選は7位で終えました。

*予選結果*
1. ATHERTON Rachel
2. RAGOT Emmeline
3. MOSELEY Tracy
4. JONNIER Sabrina
5. PUGIN Floriane
7. SUEMASA Mio

Leogang_DH_2010-course2

・決勝(6月20日)
予選後さらに雨が降り、決勝日もあいにくの悪天候。
しかも予選は男子だけで200人以上のライダーが走っていたので、コースは予選で走った数十倍も掘れてさらに走りにくく、難しくなっていました。
朝の試走ではあまりいい印象が獲る事が出来ないまま、決勝の時間がやってきました。
試走で良い感触が獲られなかったせいか、これから何が起こるか分からないほど荒れたコースを走ると思うと、緊張気味にスタートを待つ自分がいました。
その緊張を吹き飛ばすかのように全開でスタートして荒れた路面をこなしていき、前半のドロドロセクションを終えようとした時予期せぬ出来事が起こりました。
ドロドロセクション出口の段差になっている所を降りようとしてフロントタイヤを着地地点に付けた瞬間、泥が少し重くなっていてタイヤが埋もれてしまいそのまま前転してしまったのです。
すぐに立ち上がり走り出したものの体中泥だらけ。グローブはドロドロ、靴の裏には泥がついてなかなかペダルがはまらないままとりあえず前へと走り続けました。
そして、最初の漕ぎセクションを終えシングルトラックに入る急斜面で足が離れてまたもや前転。
前転が前転を生む悪循環になってしまいました。
気を取り直し再び自転車にまたがり再スタート。その後は転倒なくなんとかゴールし、16位でレースを終えました。

*決勝結果*
1. JONNIER Sabrina
2. RAGOT Emmiline
3. PUGIN Floriane
4. MOSELEY Tracy
5. NICOLE Myriam
16. SUEMASA Mio

今回は気持ちに余裕がなかったのが成績に表れたように感じます。
ワールドカップで成績を残すには技術や体力もさることながら、精神的にも強くならなければと改めて実感しました。
そして、悪路面では攻め過ぎて転倒につながり、守りの走りでも上にはあがれず、コースのコンディションを見極めどのぐらいのペースで走るべきかの判断力も重要となってきます。
どんなコンディションでも対応出来る余裕、判断力、そしてどんなコースにも対応出来る順応力、これが特に雨のワールドップを制する鍵だと思います。
何事も経験がなければ出来ず、知る事も出来ないので、今回は良い経験が出来たと気持ちを切り替えて行きたいと思います。

次回のレースは、7月17-19日長野県富士見パノラマで開催される、全日本選手権大会です。
年に一度きりのレース、そして今年はダウンヒル11連覇がかかったこの大会、気を引き締めて頑張りたいと思います。

オーストリア大会も応援どうもありがとうございました。

Team FUNFANCY/INTENSE
末政実緒

FUNFANCY
RINGOROAD
OAKLEY
FOX Racing Shox
ALEXRIMS
SDG
REV5

大会サイト


Freecaster.tv

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